神経内科
あらゆる病気の中で一番患者数が多い神経内科

あらゆる病気の中で一番患者数が多いのは神経内科であると言われています。

神経内科は脳や脊髄、神経の症状を対象とする診療科です。頭痛、めまい、しびれ、ふらふらするといった一般的な症状から、脳出血、脳梗塞、クモ膜下出血などの脳血管障害、認知症(アルツハイマー病など)、パーキンソン病、脊髄小脳変性症などの神経難病まで、幅広い領域をカバーしております。

冨田院長は、日本神経学会専門医・指導医、日本頭痛学会専門医・指導医、日本認知症学会専門医・指導医の資格を持っており、藤田医科大学病院 脳神経内科 伊藤瑞規教授らとともに診察しております。特に神経内科領域の症状に関しては、冨田病院は高い水準の医療をご提供することができます。

頭痛 ……クモ膜下出血 高血圧 脳梗塞 緊張型頭痛

一番お困りの患者さまが多い症状は頭痛です。突然の激しい頭痛に襲われたときに心配なのは、脳の動脈のこぶ(動脈瘤)が破裂するクモ膜下出血です。激しい頭痛と吐き気に襲われ、緊急手術が必要なケースが多いです。また高血圧に伴う脳出血にも用心が必要です。脳のどの部位にどの程度の出血があるかによって、手術の緊急性や治療方法が変わってきます。

またごくまれに脳腫瘍、あるいは髄膜炎という感染症による頭痛もあります。つまり、一口に頭痛といっても実はさまざまな病因があるわけで、それらをきちんと診断できなければ、適切な治療は行えません。

そのために神経内科専門医は、「神経学的診察法」という特殊な診察を行います。これによって脳のどこにどのような異常があるのか、どの程度危険な病気であるのかを正確に診断することが可能です。

必要に応じて、当院に設置しているMRI(1.5テスラ)やCTスキャンで検査して細かい診断を行い、緊急手術の必要な場合は岡崎市民病院あるいは藤田医科大学病院など基幹病院へ責任を持ってご紹介しますし、それ以外の場合は内科的な治療を行って経過を観察します。

なかには頭痛の症状があるのに、MRIやCT検査をしてもまったく異常が出ない方もいらっしゃいます。この場合一番多いのは緊張型頭痛です。日常のさまざまなストレスが原因で、頭蓋骨の回りの筋肉がこってしまい、脳が締め付けられて起きる慢性頭痛の症状です。専門医が診て投薬や生活習慣の改善を行えば症状が改善します。

片頭痛 ……正確な診断と特効薬

片頭痛の患者さまも月に数回、吐気を伴う激しい頭痛に見舞われます。頭痛の出始めに一時的に光がまぶしく感じられ、周囲の音が耐えられないほどうるさく感じられるということもあります。

片頭痛の方は、頭部CT・MRIをとっても異常は出ません。一般的にテレビでコマーシャルをしている市販の頭痛薬では効果がないこともあります。そうした薬を飲み過ぎると、かえって症状が悪くなることもあります。

頭痛でずっと悩みつづけていらっしゃる方の中には、母親が頭痛持ちだったので「これは遺伝だから」と思ってあきらめている方もいらっしゃいますが、重度の片頭痛と診断された場合は予防薬で頭痛の頻度を減らすこともできます。
頭痛に悩まれている方は、神経内科の診察を受けられることをお勧めいたします。

めまいやしびれ、パーキンソン病

めまいやしびれ、不定愁訴といわれる原因不明の不具合の中にも、神経内科の病気が潜んでいることが少なくありません。

当院ではMRIやCT検査、脳波検査、神経学的診察法によって、正しく診断し、効果のある治療を的確に行います。

パーキンソン病は手が震えたり、筋肉が固くなって手足の動きが鈍くなる、動作が遅くなる、小刻み歩行になる、字が書きづらくなり小さくなる、会話は単調、早口で、口ごもるようになる、便秘傾向になるといった症状を呈する神経難病です。

原因は脳の黒質という部分の神経細胞の数が減り、ドパミンという神経伝達物質の産生が減少し、その先の線条体のドパミンが減少してしまうことにあります。

その根本原因はまだ不明ですが、最近では非常に効果的な薬がたくさん出てきました。当院では正確に下した診断に基づいて、最も効果的な投薬治療をさせていただきます。

認知症も、アルツハイマー病以外に原因はさまざま

脳や身体の疾患が原因で、一度獲得した記憶や判断力などの障害がおこり、普通の社会生活が送れなくなる」という認知症の患者さまも高齢化社会で激増しております。

アルツハイマー病が有名ですが、他にも脳血管性認知症、FTDという側頭葉が萎縮するタイプの認知症、幻覚を伴うレビー小体病型認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病など、さまざまな認知症があるため、治療のためには何が原因か正確に見極めることが極めて重要だといえます。

「家族の一人が1週間程度で急激に物忘れが激しくなった。同じことばかり繰り返している。名前も言えなくなってしまった。呆けてしまったのではないか、これは認知症ではないか」ということで、当院に初診で来られたその日のうちにCTスキャンを撮影してみると、慢性硬膜下血腫という脳出血であったという事例もあります。このケースの場合は基幹病院で緊急手術を行った結果、物忘れ症状は軽快されました。

また、うつ病に伴う認知症も存在します。将来に対する不安が抑うつ症状につながり、認知症を引き起こしていたり、甲状腺ホルモンの異常などによっても認知症は起こりうるのです。ですから同じ認知症の症状だとしても、物忘れの本当の原因は何なのか最初に正確な診断をつけられなければ、さらに症状が進行してしまう恐れもあります。

当院では、記憶を司る大脳側頭葉の海馬がどの程度萎縮しているかを数値で評価する『脳萎縮評価支援システム(ブイエスラド)』を活用し、神経心理学的な検査と組み合わせることで的確な診断を行っております。

アルツハイマー病すでにアルツハイマー病やパーキンソン病と診断されている患者さまのご家族に、「ご本人は、普段はどのような生活をされていますか」とたずねてみると、「日中は毎日独りでテレビを見ています」というお答えが返ってきたりします。それではとても症状が良くなるはずがありません。

薬を飲んでいるだけでは、決してこれらの病気は良くなりません。そのままにしていては、足腰がきかなくなって寝たきり生活になった後、感染症や肺炎で亡くなるという道をたどることが少なくないのです。

寝たきりを防ぐ、すなわち日常生活でどれだけのリハビリを行うかが、神経内科の病気ではとても重要なのです。

当院の通所リハビリテーションにおいて、パーキンソン病や進行性核上性麻痺の方が週に1~2回リハビリテーションを行ったところ、顔の表情に変化が見られ、ついには杖を使わずに歩けるところまで回復されたというケースがありました。

このように、神経内科の治療はリハビリテーションと一緒に行うことで効果を発揮すると考えております。冨田病院ではこの点を意識し、内科治療とリハビリテーションが相互に連携した施設を皆様に提供しつつ、治療にあたっております。

神経内科の病気の中には、そのほかにギラン・バレー症候群や多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などたくさんの病気があります。最近、手足に力が入らないとか、ろれつが回らない、ふらつく、物が二重に見える、家族から見て「いつもと様子がおかしい」といった場合は、ぜひ神経内科専門医の診察を受けられることをお勧めします。

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